発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017217837
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30歳代男。肝障害を主訴とした。2型糖尿病にて加療中であり、完全房室ブロックに対するペースメーカー植え込み時に胆道系酵素上昇が優位の肝障害を認め、経過観察中に肝障害と糖尿病が悪化した。全身検索、精査より心・肝サルコイドーシスと診断してステロイド内服治療を行い、血清アンジオテンシン変換酵素活性と胆道系酵素値の改善をもって治療反応性良好と考えたが、その後にトランスアミナーゼ優位の肝障害が悪化した。治療開始後長期の主要検査値ではγ-GTPとALTが交差して推移していることから、異なった原因・病態が考えられ、コントロール不良の糖尿病を背景としたALT上昇として糖尿病治療を強化した結果、ALTとHbA1cはともに改善し、治療効果と判定した。複合的な病態の診断、治療効果の判定においては各々の病態を反映する検査値を見極め、その推移を観察することが重要であると考えられた。
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