発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011003848
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64歳男。2年前に両趾の異常感覚、感覚鈍麻から末梢神経障害と診断し、ビタミンB12投与で経過観察したが改善せず入院となった。眼科的・皮膚科的に異常はなく、両上・下肢近位筋に軽度の筋力低下を認めた。深部反射は減弱し、両足遠位部に軽度の温痛・振動覚の低下を認め、Romberg徴候軽度陽性、Mann試験は軽度動揺ありで、継ぎ足歩行で軽度のふらつき認めた。高尿酸値、高カルシウム血症、アンジオテシン交換酵素とリゾチームの著明な上昇を認め、左正中神経、両側後脛骨神経の運動神経伝導速度は低下し、両側腓腹神経の感覚神経活動電位は導出不可であった。ガリウムシンチで両肩、大腿部、右臀部、耳下腺に集積亢進を認め、右大腿四頭筋の筋生検で多数の多核巨細胞、リンパ球浸潤を伴う非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた。慢性感覚運動サルコイドニューロパチーと診断し糖尿病、骨粗鬆症に注意しながらprednisoloneを投与し改善を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010