消化管出血に対する診療-JGESガイドラインをふまえて
下血・血便の評価と初期治療 両者の鑑別を中心に
藤田 朋紀
1
,
小松 悠弥
,
和賀 永里子
,
高梨 訓博
,
安保 智典
,
勝木 伸一
1小樽掖済会病院 消化器内科
キーワード:
下血
,
消化管出血
,
鑑別診断
,
消化器系内視鏡法
,
腹部CT
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Melena
,
Endoscopy, Digestive System
pp.275-281
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017145693
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下血と血便はともに消化管から出血している状態を示すが,原因疾患が異なっている.下血では上部消化管出血を,血便では下部消化管出血を最初に疑う.病歴,使用薬剤,腹痛・下痢などの随伴症状から原因疾患を推測するが,静脈瘤性出血と非静脈瘤性出血では治療と予後が異なるためとくに肝硬変を思わせる所見に注意を要する.その後,バイタルサインに応じて輸血の必要性・内視鏡検査の緊急性を判断し,速やかに検査・治療に移る必要がある.出血源が明らかでない場合には原因不明消化管出血(obscure gastrointestinal bleeding;OGIB)として小腸の精査が必要になる.
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