悪性消化管狭窄に対する最新マネージメント
悪性大腸狭窄に対するステント治療 緩和医療、化学療法の視点から
小泉 浩一
1
,
田畑 拓久
,
桑田 剛
,
斉田 芳久
1がん・感染症センター都立駒込病院 消化器内科
キーワード:
異物移動
,
緩和ケア
,
病的狭窄
,
大腸疾患
,
再発
,
大腸腫瘍
,
腸穿孔
,
腸閉鎖症
,
人工器官機能不全
,
自己拡張型金属ステント
Keyword:
Self Expandable Metallic Stents
,
Constriction, Pathologic
,
Foreign-Body Migration
,
Intestinal Atresia
,
Intestinal Perforation
,
Palliative Care
,
Recurrence
,
Prosthesis Failure
,
Colorectal Neoplasms
pp.1147-1156
発行日 2016年6月20日
Published Date 2016/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016338492
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第4回大腸ステント安全手技研究会で,大腸ステント緩和療法の現況についてアンケート調査を行った.大腸ステント緩和療法施行例285症例のうち,194例68.1%が原発性大腸癌,86例30.2%が他臓器癌転移によるもので,86例30.2%にステント留置後の化学療法が施行された.施設内最長狭窄解除継続期間は5.0~31.4ヵ月で平均13.6ヵ月であった.計73例25.6%に術後併発症を認め,再閉塞が38例13.3%,穿孔は14例4.9%で逸脱は19例6.7%に認めた.穿孔に対しては,5例で外科的処置が行われたが,9例では保存的に経過観察された.悪性大腸狭窄に対する大腸ステント治療は,併発症は少なくないが,緩和療法として低侵襲で早期退院を可能にする有効な手段である.
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