機能性消化管疾患-病態の解明と新たな治療
機能性消化管疾患の治療 過敏性腸症候群とプロバイオティクスの効果
井上 悌仁
1
,
好川 謙一
,
岡田 義清
,
栗原 千枝
,
三浦 総一郎
,
穂苅 量太
1防衛医科大学校 消化器内科
キーワード:
Bifidobacterium
,
Lactobacillus
,
腸炎
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
メタアナリシス
,
プロバイオティクス
,
過敏性腸症候群
,
Dysbiosis
Keyword:
Bifidobacterium
,
Enterocolitis
,
Lactobacillus
,
Meta-Analysis as Topic
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Treatment Outcome
,
Probiotics
,
Irritable Bowel Syndrome
,
Dysbiosis
pp.245-248
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015140033
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過敏性腸症候群はストレスからの脳腸相関により消化管の運動異常,腹痛,便通異常を惹起する症候群であり,消化管内には異常は存在しないとされていた.かねてから腸管内細菌バランスを改善させるプロバイオティクスが治療に使用されている.近年,腸管粘膜には炎症が存在すること,腸管内細菌バランスの異常が腹痛や便通異常に関与していること,ストレスにより細菌バランスの異常を引き起こすことが明らかになり,その作用機序が解明された.エビデンスも豊富でプロバイオティクスの介入試験が多数報告され,投与により腹痛,便通異常の改善が認められるが,腸内環境の改善に加え,腸内炎症も抑制することにより効果が得られていると考えられる.
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