機能性消化管疾患-病態の解明と新たな治療
機能性消化管疾患の病態 機能性ディスペプシアの運動異常と酸感受性
富永 和作
1
,
藤川 佳子
,
田中 史生
,
渡辺 俊雄
,
藤原 靖弘
,
荒川 哲男
1大阪市立大学 大学院医学研究科消化器内科学
キーワード:
胃酸
,
胃腸運動
,
胃内容排出
,
十二指腸
,
知覚過敏
,
腸粘膜
,
Non-Ulcer Dyspepsia
Keyword:
Gastric Acid
,
Duodenum
,
Gastrointestinal Motility
,
Hyperesthesia
,
Intestinal Mucosa
,
Gastric Emptying
pp.171-178
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015140024
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機能性ディスペプシア(functional dyspepsia;FD)は,2013年に本邦で保険病名として収載され,2014年には日本消化器病学会から診療ガイドラインが発刊された消化器疾患である.その病態生理に多因子が関与していることは,数々の報告から示唆されているが,個々の因子を詳細に関連づける系統的な報告は未だ存在しない.しかし,胃・十二指腸粘膜に明らかな組織傷害がなく,これら臓器での生理的機能の障害が症状発現因子であるとの観点からすると,胃・十二指腸の臓器固有の生理的機能を改めて考える必要がある.そのなかで,消化管運動機能異常や胃酸に対する知覚過敏性は,FDの病態生理にとって一義的に重要であることは,誰しもが認めるところである.そこで,本稿ではこれらの点について概説した.
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