NASH-病態と治療
NAFLD/NASHの疾患概念
小田 耕平
1
,
宇都 浩文
,
坪内 博仁
1鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学
キーワード:
分類
,
肝疾患-非アルコール性脂肪性
Keyword:
Classification
,
Non-alcoholic Fatty Liver Disease
pp.397-402
発行日 2013年3月20日
Published Date 2013/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013182432
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
NAFLDは,明らかな飲酒歴がないにもかかわらず,アルコール性肝障害に類似した病理像を呈する肝疾患である.NAFLDは肝細胞に脂肪沈着のみを認める単純性脂肪肝と,脂肪肝に加えて肝細胞の壊死・炎症,肝線維化を伴うNASHに大別される.NAFLDは,画像検査などで診断できるが,NASHの診断には病理組織検査が必要である.NAFLDのMatteoni分類のtype 3と4がNASHであり,NASHのBrunt分類のstage 4が肝硬変である.NAFLD/NASHは,肥満やインスリン抵抗性を基盤として発症し,糖尿病,脂質異常症を高頻度に合併することから,肝臓におけるメタボリックシンドロームの表現型であり,心血管疾患のリスクファクターである.21世紀の肝臓病といわれるNAFLD/NASHを全身疾患の一部としてとらえ,NAFLD/NASH患者を総合的に診療することが必要である.
Copyright © 2013, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.