認知症と透析医療
認知症透析患者に対する運動療法
加藤 明彦
1
1浜松医科大学医学部附属病院 血液浄化療法部
キーワード:
運動療法
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
認知症
,
脳由来神経栄養因子
Keyword:
Dementia
,
Exercise Therapy
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Brain-Derived Neurotrophic Factor
pp.1031-1037
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016391717
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最近,認知症はフレイルの観点からも検討されている.地域居住高齢者と同様,透析患者でもフレイルは認知機能低下と関連する.運動,とくに有酸素運動は,骨格筋や脳内の脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor)の産生が亢進し,海馬の顆粒細胞が増殖され,学習能力や記憶力を改善させる可能性がある.とくに,運動と認知タスクの両者を同時に行う二重課題トレーニングは,健康高齢者の認知機能を改善することが報告されている.透析患者では,健常人と比較し,二重課題(例:歩行しながら会話する)をこなす能力が低下している.しかし,二重課題トレーニングの効果については検討されていないため,透析患者の認知症の発症・進行を予防する運動プログラムの開発が求められる.
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