認知症と透析医療
透析患者における認知症の画像診断
平野 成樹
1
,
須原 哲也
1千葉大学 大学院医学研究院神経内科学
キーワード:
Alzheimer病
,
血液透析
,
MRI
,
鑑別診断
,
腎不全-慢性
,
SPECT
,
認知症
,
認知症-血管性
,
Korsakoff症候群
,
Lewy小体病
,
後白質脳症症候群
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Dementia
,
Diagnosis, Differential
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Dementia, Vascular
,
Tomography, Emission-Computed, Single-Photon
,
Lewy Body Disease
,
Korsakoff Syndrome
,
Posterior Leukoencephalopathy Syndrome
pp.999-1006
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016391713
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透析患者における認知機能低下を認めた際は,画像検査が診断を進めるのに効果的である.透析患者においては尿毒症や高血圧などから起因するposterior reversible encephalopathy syndromeやウェルニッケ-コルサコフ症候群のように鑑別診断が重要な疾患もあり,MRIでの診断が有用である.また高齢化に伴い,アルツハイマー病を代表とする認知症性疾患を合併する可能性もある.これらの認知症性疾患は,MRIなどの頭部構造画像や脳血流画像,場合によってはドパミン神経画像,心臓交感神経画像などを組み合わせて診断するとよい.頭部構造画像と脳血流画像では元画像の観察のみならず,画像統計解析を用いることによって,より診断しやすくなる.また,これらの認知症は互いに混在することがあるため,複数の画像検査を用いて診断することで,より正確な診断につながる.
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