高齢者の透析導入を再考する
高齢者の腎移植の現状と適応
相川 厚
1
,
河村 毅
1東邦大学 医学部腎臓学講座
キーワード:
移植片拒絶
,
腎臓移植
,
免疫抑制剤
,
治療成績
,
年齢分布
,
周術期管理
,
移植レシピエント
Keyword:
Graft Rejection
,
Immunosuppressive Agents
,
Kidney Transplantation
,
Age Distribution
,
Treatment Outcome
,
Perioperative Care
,
Transplant Recipients
pp.85-91
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016137505
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本邦の高齢者の腎移植は増加傾向にあり,60歳以上のレシピエントは全体の約20%を占める.高齢者の腎移植における特徴は,急性拒絶反応の発現は少ないが,感染症による死亡が多い.そのため5年生存率,生着率は90%より低いが,他の年齢と比べてdeath censored graft survivalは変わらない.高齢者は免疫抑制が過多になりやすいが,一度拒絶反応を起こすと,腎機能を喪失しやすい.60歳以上のドナーは生体腎移植で年々増加して43.6%に達している.高齢ドナーの術後は腎不全にならないように,外来でのフォローが重要である.高齢者の腎移植は透析での生存率を上回り,生着率も比較的良好であるため,生活の質を改善するために考慮すべきであると考える.
Copyright © 2016, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.