発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016055934
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新規高リン血症治療剤であるリオナ錠250mg(リオナ錠)の製剤特性を明らかにするため、リオナ錠の有効成分であるクエン酸第二鉄水和物(リオナ錠の原薬)の特性、リオナ錠の各種pH下での溶出挙動、リオナ錠と他の高リン血症治療剤(炭酸カルシウム製剤、炭酸ランタン製剤)および乾燥水酸化アルミニウムゲルを有効成分とした製剤の各有効成分の溶解度を検討した。リオナ錠は食品添加物のクエン酸第二鉄[クエン酸鉄(食添)]より血清リン濃度低下効果が高いと考えられ、リオナ製剤の原薬はクエン酸鉄(食添)と比べて比表面積が極めて大きく、より高い溶解性を示した。また、リオナ錠はpHに依存しない速やかな溶出挙動を有することが示された。胃液を模した日局1液(pH 1.2)に対する溶解度は炭酸カルシウム製剤や炭酸ランタン製剤と変わりなかったが、水に対する溶解度は多剤と比べて極めて高く、pH非依存的であった。以上より、リオナ錠の製剤特性は、高リン血症治療剤として、咀嚼機能低下や胃酸分泌抑制剤の併用のある慢性腎疾患患者に対しても好ましいものと考えられた。
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