マネジメント基礎編 医療における品質管理の必要性と工学手法の導入法

高度複雑で要求レベルの厳しい医療において,｢安全と質保証｣を,個々の医療者のみにゆだねることは困難である.医療を重要な社会技術として認識し,社会システムとして構築することが必要である.安全で質保証された医療を提供する知識を,｢個人知｣から社会の｢組織知｣とすることが重要である.医療を社会システムとするために必要とする知識のなかでも,医療の固有技術(専門技術)にあたる臨床知識は,医療の質安全保証,および質マネジメントをするための核となる知識である.医療の安全と質保証を実現するためには,臨床のプロセスに着目し標準化をはかること,またそれを実現するための業務プロセスの設計が必要である.