発行日 2014年6月10日
Published Date 2014/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014259962
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75歳女。約4年前に血液透析導入となり、以後比較的安定して維持透析を行っていたが、認知症の発症・進行に伴って血清リン値が悪化し、リン吸着薬処方量を漸増してもコントロール不能であった。自宅での服薬管理は不良で、同居する高齢の夫や同一市内に住む次女による頻回の介助が期待できない状況であったため、本人の意向を十分に考慮した上で、平日は訪問ヘルパー、日曜日は娘による内服介助を行い、可能な範囲でリン吸着薬をしっかり服用した。その結果、高リン血症が改善し、良好な血清リン値を維持できたほか、週1回でも家族が服薬介助に参加することで患者の疾患の状態や経過を知り、介護に参画しているという認識が得られた。自験例は、個々の患者の生活背景を考慮したオーダーメイドの医療の展開が可能であることを示唆する有用な経験であった。
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