特集 大腸Ⅱc─症例アトラス
Ⅱ.症例アトラス(13)ひだのひきつれがきっかけで発見された微小Ⅱc病変/同一患者に二つのⅡc病変を認めた1例
猪又 寛子
1
,
玉井 尚人
2
,
堀内 英華
2
,
樺 俊介
2
,
加藤 正之
1
,
炭山 和毅
2
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター内視鏡部
2東京慈恵会医科大学内視鏡医学講座
キーワード:
大腸Ⅱc病変
,
大腸Ⅰs+Ⅱc病変
,
SM浸潤癌
,
内視鏡治療
,
JNET分類
Keyword:
大腸Ⅱc病変
,
大腸Ⅰs+Ⅱc病変
,
SM浸潤癌
,
内視鏡治療
,
JNET分類
pp.190-194
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000585
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【症例1】ひだのひきつれがきっかけで発見された微小Ⅱc病変 患者:70歳代,男性 主訴:慢性下痢 既往歴:C型肝硬変(LCC),肝細胞癌(HCC),糖尿病 現病歴:持続する下痢の精査目的に大腸内視鏡検査を行ったところ,上行結腸にひきつれを伴う径5mm大のⅡc病変を認めた.内視鏡所見上は深部浸潤を否定できなかったが,LCC(Child-Pugh Grade B)があり,HCCに対し抗癌剤治療中であること,門脈血栓症に対しエドキサバントシル酸塩水和物を内服中であること,外科手術関連死亡率が高いと判断されたことから内視鏡的切除の方針となった.治療予定時(1カ月後)の大腸内視鏡所見では,腫瘍径の著明な増大と陥凹面の肥厚を認めた.EMR(内視鏡的粘膜切除術)での切除は困難と判断し,全生検目的でのESD(内視鏡的粘膜下層剝離術)を施行した.
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