連載 「胃炎の京都分類」の使い方
第25回 NHPH 感染胃炎とH. pylori感染胃炎による前庭部優位胃炎の違いは
塚平 俊久
1
,
小林 奈津子
1
,
吾川 弘之
1
,
関口 恭弘
1
,
小平 日実子
2
,
太田 浩良
3
1健和会病院消化器内科
2健和会病院病理診断科
3信州大学医学部保健学科生体情報検査学
キーワード:
NHPH
,
Helicobacter suis
,
内視鏡所見
,
ひび割れ状粘膜
,
霜降り状所見
Keyword:
NHPH
,
Helicobacter suis
,
内視鏡所見
,
ひび割れ状粘膜
,
霜降り状所見
pp.1461-1467
発行日 2024年9月20日
Published Date 2024/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003237
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本邦で最も頻度が高いNHPHであるH. suisによる前庭部優位胃炎とH. pyloriのそれは,いずれも霜降り状所見やひび割れ状粘膜を一定の割合で認め,EGD所見のみでの鑑別は基本的には困難である.EGD所見で鑑別に役立つ可能性があるのは,① 胃体部に広範にRACを認める,② 腺境界付近に比較して幽門前部の炎症所見が軽度,の2点であり,これらの所見があればH. suis感染胃炎の可能性が高まるといえる.重要なのはH. pylori感染診断検査が陰性の前庭部優位胃炎を認めた場合にはNHPH感染胃炎を常に念頭におくことである.
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