特集 急性胆囊炎・胆管炎を再考する
巻頭言 ―急性胆道炎診療の変遷と今後
遠藤 格
1
1横浜市立大学消化器・腫瘍外科学
pp.1355-1358
発行日 2024年9月20日
Published Date 2024/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003222
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胆道閉塞患者に対する直接胆道造影法は1930年代から試みられていたが,1961年にKaplanらが初めて金属穿刺針を通してポリエチレンチューブを胆管内に留置することに成功した .当時は,側胸部からの盲目的な穿刺であり,安全性に問題があった.1976年,高田によって考案された影像下直達法によって胆道ドレナージの成功率が高まり,ようやく急性胆道炎という暗黒大陸に光がさした.一方,ほぼ同時期に内視鏡的乳頭切開術(EST)が開発され,急性胆管炎に対する内視鏡的アプローチが可能になった.1980年にはSoehendraらにより内視鏡的内瘻化チューブ留置(ERBD)が報告された.重症胆管炎は臓器不全・DICを合併しやすいことは当時から知られており,その死亡率は50~64.9%という現在からみると信じがたい成績であった.胆道ドレナージを施行し,減黄してから手術を施行するようになり治療成績は劇的に改善した.
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