特集 Cold polypectomyの課題
2.十二指腸におけるcold polypectomy(1)表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍に対するcold snare polypectomy
吉水 祥一
1
,
藤崎 順子
1
1がん研有明病院消化器内科
キーワード:
十二指腸腫瘍
,
内視鏡的切除
,
cold snare polypectomy
,
切除深度
Keyword:
十二指腸腫瘍
,
内視鏡的切除
,
cold snare polypectomy
,
切除深度
pp.13-21
発行日 2021年12月20日
Published Date 2021/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002054
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十二指腸腫瘍に対するEMRやESDは周術期の偶発症リスクが高い.そのため,小さな腺腫に対して内視鏡的切除を行うことはリスクベネフィットの観点からは過大侵襲であり,これまでは経過観察されることが多かった.近年,新たな治療手技として,スネアの絞扼する圧のみで病変を切除するcold snare polypectomy (CSP)が普及してきた.CSPは手技が簡便で処置時間も短く,穿孔や出血もほとんど生じない安全な切除方法である.CSPの登場により,小さな腺腫に対して経過観察をするのではなく,早期に切除してしまうことが可能となった.一方,CSPはEMRやESDと比べて切除深度が浅く,局所根治性に劣る特性があることが示唆されている.早期癌への有効性は定かではないため,その適応は慎重に判断する必要がある.
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