特集 薬剤性消化器疾患の診療
4 .その他の薬剤性消化器疾患(2)薬剤性食道粘膜傷害
藤田 孝義
1
,
青井 広典
1
,
山田 弘志
1
,
森井 正哉
1
,
飯塚 昭男
1
1岡崎市民病院消化器内科
キーワード:
薬剤性食道粘膜傷害
,
食道潰瘍
,
ダビガトラン起因性食道炎
Keyword:
薬剤性食道粘膜傷害
,
食道潰瘍
,
ダビガトラン起因性食道炎
pp.746-750
発行日 2020年6月20日
Published Date 2020/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001203
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刺激性薬剤の食道内への停滞で食道炎,食道潰瘍が生じうる.原因となるおもな薬剤は,抗生剤(おもにドキシサイクリン,テトラサイクリン,クリンダマイシン),NSAIDs,アスピリン,ビスホスホネート(おもにアレンドロン酸),塩化カリウム徐放剤,ダビガトランである.症状は突然発症する胸痛,嚥下時痛,嚥下障害である.内視鏡所見は比較的限局した領域に生じる潰瘍,びらん,発赤である.ダビガトラン起因性食道炎では白色の膜様物付着が認められる.治療としては速やかに被疑薬の中止を行う.上記薬剤を処方する場合は適切な服薬指導(薬剤を100 ml 以上の水で内服し,内服後は30 分間臥位にならない)を行うことが望ましい.
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