特集 消化器領域における免疫チェックポイント阻害薬の現状・今後の展望
7 .免疫チェックポイント阻害薬の有害事象と対策(1)総論
新井 誠人
1
,
滝口 裕一
1
1千葉大学医学部附属病院腫瘍内科
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬
,
自己免疫疾患関連副作用
,
下痢・大腸炎
,
肝障害
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬
,
自己免疫疾患関連副作用
,
下痢・大腸炎
,
肝障害
pp.501-505
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001140
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
免疫チェックポイント阻害薬投与による特有な有害事象は,自己免疫疾患関連副作用(immune related adverse events;irAE)と称され,従来の抗がん薬による副作用と大きく異なる.irAE の発生を予測することは困難であり,すべての症例で発生しうるものとして対応する必要がある.各疾患の専門医による診療が,副作用マネージメントに有用であり,各専門医との密接な連携がとれる体制を作ることが重要である.治療の基本は免疫抑制であり,おもにステロイドが用いられる.ステロイドの投与量,期間などについては,治療反応性,重症度,副作用の種類によって決められる.下痢・大腸炎は頻度の高いirAE であり,消化器専門医による適切な診断,診療が求められる.
Copyright © 2020, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.