特集 血流障害と消化管疾患
4 .その他(4)IBD と血流障害
猿田 雅之
1
1東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
微小循環障害
,
活性酸素
,
一酸化窒素
,
血栓症
Keyword:
炎症性腸疾患
,
微小循環障害
,
活性酸素
,
一酸化窒素
,
血栓症
pp.95-100
発行日 2018年12月20日
Published Date 2018/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000625
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潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC),クローン病(Crohn’s disease;CD)に代表される炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)の病因や病態は未だ判明していないが,遺伝的要因,感染,免疫応答異常の関与が指摘され,さらに,これらの因子のほかに,消化管の微小循環障害の関与が想定されている.消化管粘膜には,食事の消化吸収機構だけでなく,腸管内の防御機構,各種免疫反応や免疫寛容機構,各種内分泌作用など,多種多様な機構が存在し,そのすべてに微小循環(microcirculation)系が関与している.IBDにおける微小循環障害および,その血行動態や血管内の炎症細胞により生じる血栓症を理解することが大切で,さらに血管内の炎症細胞を制御する血球除去療法および接着因子阻害薬などの治療は有用と考えられる.
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