Japanese
English
今月の主題 狭窄を来す大腸疾患─診断のプロセスを含めて
主題
症例2
Case 2
大津 健聖
1
,
松井 敏幸
1
,
金光 高雄
1
,
久部 高司
1
,
平井 郁仁
1
,
今村 健太郎
2
,
池田 圭祐
2
,
岩下 明德
2
,
松嶋 祐
3
,
櫻井 俊弘
3
Kensei Ohtsu
1
1福岡大学筑紫病院消化器内科
2福岡大学筑紫病院病理部
3芦屋中央病院消化器科
キーワード:
腸間膜静脈硬化症
,
大腸狭窄
,
漢方薬
,
山梔子
Keyword:
腸間膜静脈硬化症
,
大腸狭窄
,
漢方薬
,
山梔子
pp.1279-1283
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200404
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症例
患 者:80歳代,女性.
主 訴:腹痛,食思不振.
既往歴:十二指腸潰瘍,虫垂切除術,高血圧.
内服歴:1983年より健康増進目的に野草(山梔子,ウコン)を内服していた.
現病歴:2007年8月ごろより1日3行の軟便や下痢,時に右腹痛を自覚していた.
2008年2月中旬に大腸検査を施行し,腸間膜静脈硬化症と診断された.原因物質として,クチナシの実(山梔子)が考えられたため,生薬(山梔子)の内服中止を指示した.2012年6月中旬,食思不振と腹部膨満感を自覚し,外来を再診した.血液検査で,炎症反応上昇を認めた.主治医の指示に従わず,初診後から継続して山梔子を内服していることが判明した.腸間膜静脈硬化症の増悪を疑い,精査加療目的に入院加療となる.
身体所見:身長144.6cm,体重41.5kg.血圧116/70mmHg,脈拍60回/min・整.眼球結膜は黄疸なし.眼瞼結膜は貧血なし.胸部は心音・呼吸音に異常なし.腹部は平坦,軟,下腹部に軽度圧痛あり.
入院時検査所見:Table 1に示す.
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