消化管疾患に対する漢方医学からのアプローチ-現状と展望
概論 消化器疾患に対する漢方アプローチの歴史的背景・現状・今後の展望
星野 惠津夫
1
,
徳原 真
,
井上 美貴
1がん研究会有明病院 漢方サポート科
キーワード:
漢方薬
,
消化器疾患
,
過敏症-薬物
,
漢方医学
,
近代医学史
,
江戸期医学史
,
腹診
Keyword:
Drugs, Chinese Herbal
,
Drug Hypersensitivity
,
Digestive System Diseases
,
Medicine, Kampo
,
History, Modern 1601-
pp.151-159
発行日 2013年1月20日
Published Date 2013/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013120322
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四千年前に中国で誕生した生薬治療学は,わが国に移入された後に腹診法の確立とエキス製剤の開発により,世界に冠たる日本独自の生薬医学「漢方」となった.漢方治療は漢方的診断に基づく「類型漢方」と西洋医学的診断分類による「病名漢方」の組み合わせで行われる.各科の専門医がオーソドックスな漢方診療のテクニックを身につければ,さまざまな難治疾患の新しい治療法の開発が可能となる.近年,とくに消化器領域で漢方薬の作用機序が次々に解明されてきている.個別医療を特質とする漢方医学の有用性を評価するための,通常のRCTとは異なる新たな推計学的手法が開発されれば,今後漢方薬の臨床的エビデンスの構築も急速に進むであろう.
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