特集 こんな時は漢方でしょう!
【私のイチオシ処方】
風邪と呼吸器疾患—❶下痢・微熱・嘔気・咽頭痛がある時,❷咳や喀痰が出る時
皿谷 健
1
1杏林大学医学部呼吸器内科学
キーワード:
麻黄
,
腹診
,
漢方
,
咳嗽の強さ
Keyword:
麻黄
,
腹診
,
漢方
,
咳嗽の強さ
pp.215-219
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200486
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漢方診療は「楽しい」の一言に尽きます.感冒であっても,患者に合わせた治療を試すことができるからです.またツボにはまった時の効き目は,処方する自分が驚くくらいの効果を発揮し,予期していなかった他の部位の不調も改善することもしばしばあります.さらに西洋医学に対する強みは,“冷え”に対する効果をもつ薬剤が多いということです.
感冒は,一般内科で最も遭遇する疾患と考えられます.本稿では,1)感冒性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎)と,2)通常の感冒(急性上気道炎)±下気道症状(咳嗽),の2パターンについて記載します.また代表的な症例をもとに,筆者が頻用する漢方薬とチェックポイントなどを記載します.あまり生薬の組成などにはこだわりすぎず,「麻黄に耐えられそうな状態かどうか?(虚証か実証か?)」と,「現在の感冒の病態が,表(発汗,筋肉痛)か裏(消化管)か?」,「腹診」と「舌診」などを参考に決めていきます.
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