特集 透析患者の心臓病のすべて―インターベンションを中心に
2.虚血性心疾患の診断
河合 健志
1
,
石原 正治
1
1兵庫医科大学循環器・腎透析内科学講座
キーワード:
動脈硬化
,
無症候性心筋虚血
,
石灰化
,
血管内イメージング
Keyword:
動脈硬化
,
無症候性心筋虚血
,
石灰化
,
血管内イメージング
pp.660-666
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003453
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透析患者は高血圧や糖尿病といった基礎疾患のほかに動脈硬化促進因子も多く,冠動脈疾患の有病率が高い一方で,無症候性虚血の頻度が高い.透析患者における虚血性心疾患(IHD)の特徴は,非透析患者と比較して血管石灰化やびまん性病変が多く治療抵抗性の冠動脈病変である.したがって,典型的な症状が現れにくい透析患者におけるIHDの診療では,画像診断を活用したスクリーニングによる早期診断が重要となる.心エコーや心筋シンチグラフィー,心臓CTなどの従来の非侵襲的な画像診断に加えて,近年発展しているFFR-CTやFFRangioといった機能的評価が可能な画像診断技術の導入や,血管内イメージングの活用により,さらなる診断精度の改善や詳細な病変評価が期待されている.

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