特集 最新の虚血評価と治療介入
治す12
薬剤コーテッドバルーン:Tips and Tricks
浅野 拓
1
1聖路加国際病院循環器内科
キーワード:
薬剤コーテッドバルーン(DCB)
,
DCB単独治療
,
血管内イメージング
Keyword:
薬剤コーテッドバルーン(DCB)
,
DCB単独治療
,
血管内イメージング
pp.178-183
発行日 2025年2月9日
Published Date 2025/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000001812
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現在の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)において,バルーンによる狭窄病変の拡張と薬物溶出性ステントによる冠動脈内腔の維持が原則となっている。テクノロジーの進歩により薬物溶出性ステントは安全かつ効果的な臨床成績を収めている一方で,金属のステントはそのプラットフォームやポリマーに関する物理的および生理的反応によるステント血栓症や再狭窄のリスクがあり,課題が完全に解消されていない。また,患者にとっても金属が体内に留置される心理的ハードルがあることも事実である。このような背景から,“leave nothing behind(何も残さない)”というPCIの理想は以前から存在する。これを受けて生体吸収性スキャフォールドなどの開発が進んでいるが,血栓症などの問題があり,実用にはまだ至っていない状況である。一方で,拡張後の血管内腔表面に薬物を塗布し,再狭窄を抑制する薬剤コーテッドバルーン(DCB)は臨床で使用されており,その適応も拡大しつつある。本稿ではDCBの臨床使用の現状について解説し,実際の使用についての留意点を解説する。
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