特集 急性腎障害の最新トレンド
10.急性腎障害の予後を改善するために何が必要か
土井 研人
1
1東京大学大学院医学系研究科救急・集中治療医学
キーワード:
バイオマーカー
,
動物モデル
,
多臓器不全
Keyword:
バイオマーカー
,
動物モデル
,
多臓器不全
pp.412-416
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002951
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急性腎障害(AKI)は幅広い疾患スペクトラムを有する症候群であり,AKIの発症は予後悪化因子である.AKIの予後を改善するために必要なものは,AKIをきたした腎障害に対する治療,AKIをきたす原因となった疾患に対する治療である.とくに臨床的にはまだ認識されていない臓器間クロストークについての知見が基礎研究では報告されていて,腎臓と他の臓器におけるクロストークを標的とした新たな治療戦略,あるいは腎臓と別の遠隔臓器とのクロストークに限定せず,多臓器間クロストークを伴う全身臓器ネットワークという新しい考え方で多臓器不全を捉えることが,結果的にAKIの予後を改善しうると考えられる.
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