ケース・スタディ
急激な汎血球減少をきたした維持血液透析の 1 例
坂口 美佳
1
,
大野 卓志
2
,
高橋 計行
2
1近畿大学医学部腎臓内科
2高橋計行クリニック
キーワード:
pancytopenia
,
hemodialysis
Keyword:
pancytopenia
,
hemodialysis
pp.563-569
発行日 2023年5月10日
Published Date 2023/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002559
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症例:75 歳,男性 既往歴:早期胃癌(ESD 治療),腰椎圧迫骨折,腰部脊柱管狭窄症,薬剤性肺炎,腸腰筋膿瘍 家族歴:特記事項なし 生活歴:アルコール常飲,1 日焼酎 2~3 杯 現病歴:65 歳時に慢性糸球体腎炎由来の慢性腎不全のため,血液透析を導入.以後週 3 回の通院維持透析を行っていた.アルコールを常飲し,栄養状態はあまりよくないため補助栄養食品なども使用していたことがあり,栄養指導も頻繁に行われていた.X- 17 週に発熱を認め PCR(polymerase chain reaction 検査)で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性であった.隔離透析を行いながら経過観察を行ったが肺炎合併はなく,数日で解熱した.以前から白血球や血小板の変動が激しかったが,X-3 週頃から汎血球減少をきたした.輸血および精査を行いながら,血液内科の診療も依頼することとなった. 内服薬:ニフェジピン CR 40 mg,酢酸亜鉛水和物 100 mg,スボレキサント 15 mg,クエチアピンフマル酸塩 12.5 mg,ランソプラゾール 15 mg,オルメサルタン 20 mg,酪酸菌(宮入菌)製剤,L-アスパラギン酸カリウム 900 mg 身体所見:身長 148 cm,体重 38.5 kg,BMI 17.6,透析前血圧 152/90 mmHg,脈拍 88 回/min,体温上昇なし,心音・呼吸音;異常なし,腹部;平坦・軟,圧痛なし,肝脾触知せず,浮腫なし.
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