特集 ポストコロナ時代の感染症診療
第II章 感染症診療各論
[6]消化器感染症
6 細菌性腹膜炎
伊藤 渉
1
,
笠原 敬
1
1奈良県立医科大学感染症センター
pp.162-165
発行日 2023年3月23日
Published Date 2023/3/23
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000148
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Summary
1.一次性腹膜炎の原因菌は単一菌種であることが多く,二次性腹膜炎と三次性腹膜炎は複数菌種が関与することが多い.
2.腹水貯留患者の “普段と違う何か” を認識した際には積極的に腹腔穿刺を行う.細胞数だけでなくGram染色所見も確認する.
3.腹膜炎の初期治療において,頻度の高い菌体だけでなく耐性菌も治療対象に含めるかどうかは,バイタルサインを含めた全身状態や患者背景を勘案して決定する.
4.腹水から培養された菌体をすべて治療対象とするかどうかは,治療経過やGram染色所見を参考に判断する.経過不良であれば腹水培養を再検し,その結果をもとに抗菌薬の変更・追加を検討する.
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