緊急特集 透析患者における新型コロナウイルス感染症(COVID―19)
4.COVID―19 と急性腎障害(AKI)・急性血液浄化
小丸 陽平
1
,
土井 研人
2
1東京大学医学部附属病院血液浄化療法部
2東京大学医学部附属病院救急科
キーワード:
急性腎障害
,
急性呼吸窮迫症候群
,
SARS―CoV―2
,
アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)
,
サイトカイン
Keyword:
急性腎障害
,
急性呼吸窮迫症候群
,
SARS―CoV―2
,
アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)
,
サイトカイン
pp.1291-1298
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001477
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急性腎障害は新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の予後に関連する重要な合併症として認識されるようになっている.重症肺炎や多臓器不全を背景とした腎障害に加え,COVID―19 の原因となるSARS―CoV―2 ウイルスが腎臓に直接感染することによって引き起こされる腎障害の可能性が注目される.しかし,COVID―19 とそれに関連する腎障害に特異的な治療法は現状では確立されておらず,本疾患に対する急性血液浄化療法の位置づけは従来の腎障害や敗血症に対する使用方法を逸脱するものではない.急性血液浄化療法を実施する際には,人工肺と併用する場面があること,本疾患の特徴として凝固能が亢進している可能性があることなどに注意を要する.
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