緊急特集 透析患者における新型コロナウイルス感染症(COVID―19)
2. 透析患者におけるCOVID―19 の現況と透析施設での感染対策
菊地 勘
1,2
1日本透析医会・日本透析医学会・日本腎臓学会新型コロナウイルス感染対策合同委員
2豊済会下落合クリニック
キーワード:
新型コロナウイルス感染症
,
COVID―19
,
SARS―CoV―2
,
COVID―19 透析患者
,
感染対策
Keyword:
新型コロナウイルス感染症
,
COVID―19
,
SARS―CoV―2
,
COVID―19 透析患者
,
感染対策
pp.1277-1283
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001475
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2020 年2 月28 日に,日本透析医会では新型コロナウイルス感染対策ワーキンググループを発足させた.4 月6 日に日本透析医会と日本透析医学会は,新型コロナウイルス感染対策合同委員会を設置,5 月12 日には日本腎臓学会が加わり,3 学会の合同委員会となった.この新型コロナウイルス感染対策合同委員会では,4 月10 日より毎週金曜日に累積のCOVID―19 透析患者数を報告している.2020 年3 月1 日に国内で最初のCOVID―19 透析患者が発生,その後は徐々に増加して,4 月10 日で31 人,7 月24 日で130 人,8月14 日で189 人まで増加した.
従来から透析施設では,「透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン」に準拠した,厳格な感染対策が行われている.これに加えて,2020 年2 月4 日に,日本透析医会では,「新型コロナウイルス感染症に対する透析施設での対応について」を公開,適宜改訂を行い透析施設での具体的なCOVID―19 対策の啓発を行った.このため,密集した空間での集団での治療にもかかわらず,2020 年7 月26 日時点では,大規模な集団感染は発生していない.
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