症例による透析患者の画像診断
血液透析導入時にリンパ節腫脹と不明熱を呈し診断に苦慮した1例
中島 悠里
1
,
小林 聡
1
,
井関 景子
1
,
田中 佑典
1
,
山本 脩人
1
,
龍田 浩一
1
,
大矢 昌樹
1
,
美馬 亨
1
,
根木 茂雄
1
,
重松 隆
1
1和歌山県立医科大学腎臓内科学講座
キーワード:
血液透析患者
,
不明熱
,
結核性リンパ節炎
Keyword:
血液透析患者
,
不明熱
,
結核性リンパ節炎
pp.551-554
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000886
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透析患者の不明熱の原因としてさまざまな疾患があるが,結核感染症は少なくない.なかでも肺外結核の頻度が高く,症状も非特異的なことが多いのが特徴である.肺外結核のなかでとくに多いリンパ節結核に関しては,リンパ節生検の病理組織診断も,時に非典型的であるうえ,培養検査やPCR 検査での確定診断までに時間を要し,経過が重篤となりうる.このため,透析患者のリンパ節結核は診断・治療介入が容易ではないとする報告が散見される.今回,血液透析導入期の不明熱に対して,リンパ節生検の結果から猫ひっかき病(catscratch disease;CSD)として治療開始するも奏効せず,後に結核性リンパ節炎の診断に至った1 例を経験したため報告する.
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