特集 透析医工学の最前線
Editorial
峰島 三千男
1
1東京女子医科大学臨床工学科
pp.459-460
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000872
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透析医療は,ダイアライザ,透析装置などの工学的技術を駆使した腎代替治療である.それらの医療技術は長い年月を経て改良が進み,その技術的な基盤はすでに確立されている.しかしながら,慢性腎不全で透析医療を受ける患者の平均余命は一般人の半分程度といわれており,その治療効果は十分とはいえない.その理由として,治療スケジュールの制約の問題や透析医療による腎代替能の限界などが挙げられる. 一方,新しいセンシング技術やAI(artifi cial intelligence)をはじめとするIT(information technology)の進歩には目を見張るものがあり,やがて,それらの技術が透析医療に導入されることは不可避である.本号では,これからの透析医療に何が必要で,それに対してどのような技術が利用可能かという観点にスポットを当て,特集を考えた.具体的には,一人ひとりの患者の病態に合わせた適正透析の実践と,それを可能とするナビゲーションシステムの開発が重要となる.
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