特集 キュアとケアをつなぐナーシングスキル
3.実践報告(5) 終末期にある透析患者に対するキュアとケア―透析患者・家族が終末期に至る過程を支える
田中 順也
1
1堺市立病院機構堺市立総合医療センター・慢性疾患看護専門看護師
キーワード:
透析患者
,
終末期
,
意思決定支援
Keyword:
透析患者
,
終末期
,
意思決定支援
pp.283-288
発行日 2018年3月10日
Published Date 2018/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000367
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透析患者は透析治療を受けながら,さまざまな合併症や併存症を併発し,透析に加え新たな治療を強いられる場合がある.疾患によっては,終末期に移行するケースも多い.終末期に至る過程では,患者・家族にとって併存疾患と透析治療両方に対して,さまざまな思いや葛藤が生じやすい傾向がある.さらに,患者・家族間での思いは,異なる場合もある.思いが異なるのは,医療者間においても同じである.治療や看護の方向性が異なる場合が多く,方向性の統一が難しいことも透析患者の終末期の特徴である.透析患者・家族が終末期に至る過程を支えるためには,患者・家族間の思いの調整や医療者間での方向性を統一しながら,継続的な支援体制を整備することが必要である.そのためには,互いの立場や役割を理解し合い,患者・家族の意思確認を行ってその思いを共有し合い,地域を含めたチームで支えることが重要である.
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