特集 キュアとケアをつなぐナーシングスキル
3.実践報告(1) 慢性腎臓病患者に対するキュアとケア― 慢性腎臓病とともに生きることを支えるための看護支援
井上 智恵
1
1大阪医科大学附属病院看護部・慢性疾患看護専門看護師
キーワード:
慢性腎臓病
,
透析導入
,
病いの体験
Keyword:
慢性腎臓病
,
透析導入
,
病いの体験
pp.255-260
発行日 2018年3月10日
Published Date 2018/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000363
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慢性腎臓病(CKD)患者が病いとともに生きていくためには,腎機能が低下していることを受け止めることが重要になる.しかし,ケアの視点が腎機能の維持や合併症予防の療養支援に向けられるため,患者が病気を受け止めることは難しい.今回,主治医から血液透析(HD)導入と伝えられ,頑なにHD をしたくないと話した患者が,病気を受け止めていく過程を支援した.患者のこれまでの療養行動で判断するのではなく,HD 導入をしたくない気持ちを受け止め,本人が望む治療が受けられるように主治医と交渉することで,自分の病気の管理の責任は自分で負うという自覚を促した.これまでの病気体験を話すことで,患者はCKD とともに生きていくことを受け止められるようになった.
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