透析患者の侵襲性治療
序説
大平 整爾
1
1札幌北クリニック
pp.727-730
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000086
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本号でいう「侵襲性治療」とは,従来からのいわゆる「手術」に加えて,各種のカテーテルを用いたたとえば経皮的血管拡張術(PTA)などの手技を含めて総称するものである.往時を知る者にとって医療の進歩はある意味でめざましく時に隔世の感を抱くが,腎不全患者に対する侵襲性治療も然りであり,過去には控えられてきた高い難易度でハイリスクの施術が試みられて一定の成績をあげている.しかし,そうはいっても腎不全患者への侵襲性治療には,未だ乗り越えられていないさまざまな障害が横たわっていることも事実である.「侵襲度」の高い治療法として従来から狭義の手術が取り上げられてきたが,今回は化学療法とESD も取り上げることとした.侵襲度に高低はあるにせよ,両者は時ならず手術に替わって採用されることのある療法であり,治療選択に際して十二分な配慮を要するからである.本増刊号では,腎不全外科の現況を概観しつつ,将来展望を試みるものである.
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