特集 内視鏡治療の偶発症と対策
序説
藤井 隆広
1
1藤井隆広クリニック
pp.109-110
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000161
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最近の内視鏡治療法では,通電しないcold polypectomyが行われるようになり,偶発症の一つである後出血率は減少傾向を示す報告が多数を占めている.これは,10 mm 未満のnon-polypoidlesion に対する内視鏡治療法の大きな変化であり,入院も不要となり,医療経済にも好影響をもたらすものと思われる.一方,10 mm 以上の病変については,やはりEMR(endoscopic mucosal resection)やESD(endoscopic submucosal dissection)が主流であり,そこには腸管穿孔と出血の二大偶発症を念頭に予防対策を考慮しながらの慎重な内視鏡治療が必要である.今回のテーマは,その偶発症を未然に予防することと,不測の事態に遭遇した場合の適切な処置について,大腸内視鏡治療の達人と称される先生方にご執筆いただいた.
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