Japanese
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はじめに
集中治療とは,“生命の危機にある重症患者さんを,24時間の濃密な観察のもとに,先進医療技術を駆使して集中的に治療するもの” であり,集中治療室(intensive care unit:ICU)とは,“集中治療のために濃密な診療体制とモニタリング用機器,ならびに生命維持装置などの高度の診療機器を整備した診療単位” と定義されている1)。その考え方において内科系か外科系か,あるいは成人か小児かという区別はないはずである。しかし,日本において集中治療が歩みを進める中,小児の重症患者の発生頻度が低いことや,小児の解剖学的・生理学的な特異性が強調され小児の重症患者が成人集中治療から切り離されてきた経緯から,小児に対して集中治療を提供できる体制の整備や人材の育成は不十分な状況が続いてきた。2000年代以降になって,主に海外で研鑽を積み帰国した小児集中治療医たちの尽力によって,日本においても小児集中治療室(pediatric intensive care unit:PICU)の整備が徐々に進み,人材の育成が行われ,小児集中治療は発展しつつある。本論文では前半で日本の小児集中治療の現状を歴史的経緯も踏まえて解説し,後半では筆者が以前に勤務していた国立成育医療研究センターPICUにおける術後管理の概略を紹介する。
The development of pediatric intensive care services in Japan has lagged behind that of Europe and the U. S. Since the 2000s, pediatric intensive care units(PICUs)have been gradually established in Japan, but their human resource development remains insufficient. The pediatric intensivists who are part of modern PICU teams provide postoperative management in collaboration with surgeons and internists. It is necessary to train pediatric intensivists in order to provide them with the necessary expertise in postoperative management and emergency medicine.
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