特別企画 総合病院における美容医療の実践
総合病院における美容医療の難しさ
吉村 圭
1
1東京警察病院形成外科・美容外科
pp.897-904
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2024090005
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はじめに
東京警察病院は,平成20年4月1日から中野新病院の開院に合わせて正式に美容外科を標榜し始めた。飯田橋の旧病院時代も美容医療を含む自由診療を行っていたが,実際の施術は市ヶ谷にある関連クリニックを主体に行っていたと記憶している。
新病院として中野へ移転して,美容医療の大半を当施設内でこなすようになってから15年が経過したが,このような総合病院で美容医療を問題なく行っていくことの難しさを今も痛感している。
当院では形成外科と美容外科の間に明確な枠を設けず,一般診療を行いながら,美容医療の患者を診ている。この理由は,総合病院は保険診療中心の場であり,その患者数から考えても美容診療のみの診察日を設けることはなかなか難しく,たとえ美容診療の枠を設けたとしても保険診療の患者を診きれなくなることが簡単に予想できるためである。
このように,保険診療と美容診療が混在せざるを得ず,さまざまな問題が山積みとなっているのが当院の現状である。なお,賠償保険については病院側からのサポートはなく,個人で加入する以外の手段はなかった。
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