両立とは程遠い，子育てと仕事はあくまで共存—私の葛藤とバランス—

はじめに

　7:00AM−なかなか起きない息子を起こし，朝ごはん。保育園の支度をして，自分も準備。台所に行くと「あー，昨日食べたお夕飯の洗い物がたまっている」と気付き，ゲンナリしながら洗う。

　8:00AM−保育園に送り，出勤。すでに1日終わったくらいの疲労感。

　9:00AM−外来や手術。仕事は楽しい！　集中，集中。

　5:30PM−あっという間に夕方になり，お迎えの時間。感染症が流行る時期は，子どもが熱を出して，途中で園より呼び出しがあり早退することも。

　6:00PM−子どものお迎え。笑顔に癒され，これがあるから頑張れる。徒歩5分程度の帰り道も，子どもが公園など寄り道ばかりするため，小一時間以上かかり，帰宅。

　7:00PM−お夕飯の支度。朝に炊飯器の予約炊きし忘れたことにまたゲンナリし，準備。手の込んだ？お料理はできません。お惣菜に頼ることも。

　8:30～9:00PM−お風呂，就寝。読みたい論文があって勉強したいけど，睡魔に負けて子どもと寝落ちすることもしばしば。寝落ちしてもまた夜中起きてやるぞ！　と思うのに，気付いたら朝。家は基本おもちゃなどで散らかっている。掃除・片付けはまとめて週末にするか，定期的にお掃除のプロにお願いすることもあります。

　これが，1人目出産後，フルタイム勤務医として復帰した私の日常でした。子育てされている先生方の中には，共感してくださる方も少なからずいるのではないでしょうか。

　私は，形成外科医6年目に1人目を妊娠し，妊娠中に専門医試験を受け，専門医取得後に出産，約8カ月の育休を経て大学病院に復帰しました。冒頭のような毎日を過ごし，形成外科医10年目に2人目を妊娠。出産直後に夫の留学で渡米。2人の子どもを育てながら，私自身もアメリカ東部にあるペンシルベニア大学の形成外科で働き始めました（←今ここ）。