連載 講座/健康で持続的な働き甲斐のある労働へ─新しい仕組みをつくろう・6
子育てと仕事の両立の現状と課題―ワークライフバランスと家庭生活・健康の向上に向けて
小林 章雄
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1愛知医科大学医学部衛生学講座
pp.727-730
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102530
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現在の雇用労働環境は,子育てと仕事の両立を果たすことが困難な状況にある.ワークライフバランスを推進して男女がゆとりをもって育児参加できるようにするためには,女性労働者が出産後も継続して就労できるよう支援する制度の整備と,運用の実質的な充実が必要である.また,若年成人の長時間労働を是正して,育児期の父親の帰宅時間を早め,夫が十分に育児参加したり,配偶者とのコミュニケーションを確保する機会を拡大することが必要である.さらに,非正規労働などにおける基本的労働条件の格差を是正し,たとえ母親一人の世帯であっても経済的に自立し,安定した家庭生活が営めるような雇用環境が確保される必要がある.
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