投稿論文 短報
気管切開を施行した舌がん罹患患児の周術期管理
山長 修
1
,
村田 洋
1兵庫県立尼崎総合医療センター 麻酔科
キーワード:
気管切開術
,
舌腫瘍
,
扁平上皮癌
,
周術期管理
Keyword:
Tongue Neoplasms
,
Tracheotomy
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Perioperative Care
pp.440-442
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020228431
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は14歳男児で、ファンコニ貧血、同種骨髄移植の既往があり、舌に出現した潰瘍性病変が急速に増大し、疼痛により摂食量が低下した。生検結果は扁平上皮がんで、舌腫瘍切除術が予定されたが、口腔内扁平上皮がんの小児発症症例は極めてまれであり、周術期の気道管理について合同カンファレンスを行った。術後の舌根部の腫脹は必発で、上気道閉塞が生じる可能性が極めて高い。術後しばらくは気管挿管もしくは気管切開による気道確保が不可避と考えられ、計画外抜管時の再挿管が困難である。早期のリハビリテーション介入と、腎機能障害により鎮静薬投与を控え、気管切開による周術期気道管理を選択した。術後経過は良好で、術後7日目に気管切開カニューレを抜去し、摂食・嚥下機能や発語・発声機能は抜去後1週間ほどでほぼ正常化した。
Copyright© 2020 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.