特集 神経線維腫症1型(Recklinghausen病)の病態と治療:小児外科医のかかわり・役割
気道狭窄を呈した神経線維腫症に対する治療
有本 友季子
1
1千葉県こども病院 耳鼻咽喉科
キーワード:
咽頭腫瘍
,
気道疾患
,
病的狭窄
,
MRI
,
神経線維腫症
,
X線CT
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Respiratory Tract Diseases
,
Constriction, Pathologic
,
Neurofibromatoses
,
Pharyngeal Neoplasms
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.1211-1214
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2020178312
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生後11ヵ月、男児。吸気性喘鳴、陥没呼吸を主訴に、近医および総合病院を経て当科へ紹介入院となった。耳鼻咽喉所見では左前口蓋弓腫脹による圧排が強く、口蓋垂は右へ偏位し、中咽頭の著明な狭窄が認められた。また、超音波検査では辺縁ほぼ明瞭な径45mm大の充実性腫瘤がみられ、MRI検査ではT1強調画像で筋肉とほぼ同等の低信号、STIR法で内部はや不均一、やや高信号の径45mm大の腫瘤を左副咽頭間隙に認められた。更に造影脂肪抑制T1強調画像では造影効果を若干認める高信号の内部不均一な腫瘤がみられ、上~中咽頭の気道狭窄が著明であった。以上より、本症例は気道狭窄を呈した神経線維腫症と診断され、経口的に腫瘍摘出術を施行した。その結果、腫瘍は全摘され、病理組織学的所見および画像所見を総合し、末梢神経末端の孤立性神経線維腫と診断された。術後は神経脱落症状なく良好に経過し、術後2週間で軽快退院となった。
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