投稿論文 症例
精神発達遅滞を伴う両側完全口唇口蓋裂の幼児において、中間顎骨切り後の固定に難渋した1例
伊藤 典紘
1
,
岩谷 博篤
,
奥野 友孝
,
柏木 瞭一郎
,
福岡 裕樹
,
大守 誠
,
寺師 浩人
1加古川市民病院機構加古川中央市民病院 形成外科
キーワード:
口蓋裂
,
骨切り術
,
知的障害
,
下顎固定
Keyword:
Intellectual Disability
,
Osteotomy
,
Cleft Palate
,
Jaw Fixation Techniques
pp.862-868
発行日 2022年7月10日
Published Date 2022/7/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2022280056
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症例は3歳女児で、両側完全口唇口蓋裂を認め、近医より当科を紹介された。上顎乳前歯の萠出の進行に伴い、下顎乳前歯肉の挫創や出血および歯根の露出や病的摩耗が生じたため、3歳4ヵ月時に中間顎骨切り術を施行した。乳臼歯部の咬合状態は交叉咬合を呈し、かつ深く噛み込んでいたため、接着に用いたレジンが破折し術後17日に脱落をきたした。CTにて精査したところ、上顎骨口蓋突起に骨様の硬組織の形成が認められたため、術後26日に全身麻酔下にその硬組織を切除したうえで再制作した金属製シーネをチタンスクリューで3ヶ所固定した。現在術後8ヵ月が経過し、術直後と比較して前歯部被蓋はやや深くなり軽度の後戻りがみられるが、中間顎の動揺は軽減している。
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