特集 産婦人科医も知っておきたい歯科の知識
口唇・口蓋裂の遺伝と歯科口腔外科的治療
夏目 長門
1
,
新美 照幸
,
井村 英人
1愛知学院大学歯学部附属病院 口唇口蓋裂センター
キーワード:
口蓋裂
,
口腔外科
,
口唇裂
,
発生率
,
精神的援助
Keyword:
Oral Surgical Procedures
,
Cleft Lip
,
Cleft Palate
,
Incidence
pp.458-464
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2021193113
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外表先天異常の中で最も頻度の高い口唇・口蓋裂は500名に1名の割合で出生し、産科医にとって誰でも経験する疾患である。この病気はかつては「兎唇」「みつ口」「口さけ」等といわれ、審美障害、言語障害により出産直後30%の患児の母親が自殺を考えるほど精神的なストレスを有しているので十分な留意が必要である。一方、遺伝的に口唇口蓋裂は家族内発現率が高いことも知られており、その偏見に拍車をかけている。本稿では海外医療援助においてインフォームド・コンセントを経て入手した、世界最大級の口腔先天異常に関する遺伝疫学研究グループの中で、われわれが関連した遺伝子バンキングの研究成果および産科医の皆様に知っておいていただきたい口唇口蓋裂の歯科口腔外科的治療等について報告した。
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