投稿論文 経験
遊離空腸弁で再建した広範な咽頭欠損例の検討
神山 圭史
1
,
安江 祐二
,
大島 希実子
,
林 寿光
,
西堀 丈純
,
久世 文也
,
青木 光広
,
加藤 久和
1岐阜大学医学部附属病院 形成外科
キーワード:
X線透視検査
,
組織移植
,
咽頭疾患
,
嚥下障害
,
下咽頭
,
下咽頭腫瘍
,
空腸
,
術後合併症
,
術後管理
,
扁平上皮癌
,
ビデオ記録
,
後向き研究
,
遊離皮弁
Keyword:
Fluoroscopy
,
Retrospective Studies
,
Jejunum
,
Tissue Transplantation
,
Hypopharyngeal Neoplasms
,
Hypopharynx
,
Video Recording
,
Pharyngeal Diseases
,
Postoperative Care
,
Postoperative Complications
,
Deglutition Disorders
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Free Tissue Flaps
pp.1166-1172
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021002354
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切除上端が扁桃上極に達する下咽頭全周性欠損を遊離空腸弁で再建した10例(男9例、女1例、手術時平均年齢70.2歳)を対象に、咽頭側の吻合方法と術後摂食機能について検討した。原発巣は梨状陥凹6例、中・下咽頭後壁2例、中咽頭側壁2例であり、病理診断は全例扁平上皮癌でステージはIVaが8例、IVbとIIIが各1例であった。咽頭高位との吻合時における口径差を調節する工夫としては、空腸に軸方向の切開が6例、空腸の口側を二つ折りに側側吻合が2例、空腸の斜め切断と大胸筋皮弁併用が各1例であり、術後の摂食機能は8例が経管栄養に頼らず軟性食以上を経口摂取できた。軸方向の追加切開を基本とした遊離空腸弁による咽頭高位から下咽頭の再建は、通過障害なく咽頭の連続性を再建した方法であるが、比較的簡単で合併症は認めず、機能的にも良好な可能性が示唆された。
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