特集 フローチャートでわかる 婦人科外来診療パーフェクトブック
Ⅴ 女性医学
55.低用量経口避妊薬
牧田 和也
1
K. Makita
1
1牧田産婦人科医院(院長)
pp.1466-1472
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003192
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経口避妊薬(oral contraceptive;OC)の起源は,1960年に米国食品医薬品局(FDA)が承認したノルエチノドレル(norethinodrel)9.85mgとメストラノール(mestranol)0.15mgを含有したEnovid® 10に遡る1)。それまでの避妊法と比べて,女性の意思で主体的に施行できること,ならびに避妊効果自体が高い1)という利点はあったが,エストロゲン由来の静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism;VTE)とプロゲステロン由来の脂質代謝への影響およびそれに起因した心筋梗塞が,重篤な副作用として大きな社会問題となった。特にVTEに関しては,FDAの承認が得られたわずか1年後の1961年に,OC服用者における肺塞栓症(pulmonary embolism;PE)の発症例が報告され,それ以降OCの服用とVTE(PEも含めて)の発症リスクに関する疫学調査が実施されるようになった2)。
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