特集 婦人科がん治療における下肢リンパ浮腫―センチネルリンパ節生検の保険適用はなぜ必要なのか
9.婦人科がん治療後の下肢リンパ浮腫への漢方治療
横山 良仁
1
Y. Yokoyama
1
1弘前大学大学院医学研究科産科婦人科学講座(教授)
pp.939-943
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003081
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後腹膜リンパ節郭清を含む婦人科がん術後の合併症の1つに,下肢リンパ浮腫がある。難治性でありしばしば蜂窩織炎を併発するため,患者のQOLを著しく低下させる。用手的セルフリンパドレナージ等複合的理学療法が推奨されるが,いくつかの漢方治療も試みられる。五苓散,柴苓湯,牛車腎気丸,排膿散及湯などが婦人科がん術後の下肢浮腫の治療に有効であるという報告がある。しかし,少数の後方視的研究,症例報告のためエビデンスレベル的には高いとはいえない。本稿では五苓散,排膿散及湯の有効性を紹介するが,婦人科がん術後の下肢浮腫は,それを発症させない生活習慣が基本的である。
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