特集 婦人科がん治療における下肢リンパ浮腫―センチネルリンパ節生検の保険適用はなぜ必要なのか
8.婦人科がん治療後の下肢リンパ浮腫への手術療法
原 尚子
1
,
三原 誠
2
H. Hara
1
,
M. Mihara
2
1JR東京総合病院リンパ外科・再建外科(医長)
2むくみクリニック(院長)
pp.931-938
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003080
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リンパ浮腫の外科治療はこの10年で大きく進歩し,国内では最も低侵襲なリンパ管静脈吻合術(LVA)が主に行われている。LVAでは機能良好なリンパ管を吻合することが重要であり,術前に入念なリンパ管機能検査を行う必要がある。術前のリンパ管エコーでリンパ管変性を診断することで,LVAに適したリンパ管を選ぶことができるようになった。LVAを行うと浮腫が改善し,蜂窩織炎の頻度が著明に減少する。また,陰部リンパ小疱がある場合も外科治療のよい適応であり,術前検査とLVAの発達によって切除後の再発率も低下している。良好な状態を保つために早期の治療開始が望ましく,少しでもリンパ浮腫の徴候があればリンパ浮腫外来受診をお勧めいただきたい。
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