特集 産婦人科医必携 最新の細菌・真菌感染症に対する薬の使い方と留意点Ⅱ
各論
1.梅毒に対する投薬治療プロトコル
野口 靖之
1
,
嶋津 光真
2
Y. Noguchi
1
,
M. Shimazu
2
1愛知医科大学産婦人科学講座
2総合大雄会病院産婦人科
pp.121-124
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002856
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梅毒トレポネーマは,主に性交渉を介して粘膜の小さな傷から侵入し,血行性に全身へ散布されることで局所から全身に多彩な臨床症状を引き起こす。一方で,症状が現れない潜伏期の梅毒は,主に術前検査や妊婦健診スクリーニングで診断されるが,いずれも治療を要する活動性梅毒である。2010年から増加に転じた国内の梅毒報告数は,活動制限のあったコロナ禍も増加傾向にある(図1)。特に,女性では出産年齢である15~35歳で顕著な増加を認める(図2)1)2)。梅毒は,産道感染だけでなく経胎盤的な母子感染を引き起こすため,産婦人科領域では,病期に応じた適切な治療が求められる。また,梅毒は感染症法において5類感染症に分類され,診断から7日以内に都道府県知事に届け出ることが義務づけられる(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-11.html)。
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