今月の臨床 妊娠高血圧症候群―予知・治療・予後の新知見から急変時の対応まで
期待される新規治療法
sFlt-1を標的にした妊娠高血圧症候群治療の可能性
有吉 悠
1
,
入山 高行
1
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
キーワード:
妊娠高血圧腎症
,
sFlt-1
,
アフェレシス
Keyword:
妊娠高血圧腎症
,
sFlt-1
,
アフェレシス
pp.286-291
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211172
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●近年,妊娠高血圧腎症の病態の解明が進んでおり,可溶性fms様チロシンキナーゼ-1(sFlt-1)が中心的な役割を担っていることが明らかになってきた.sFlt-1を標的にした新規治療法の開発が注目されている.
●血管新生因子の補充やsiRNAの投与は動物モデルで効果が実証されているが,母児の安全面への懸念から実用化には高い障壁がある.
●sFlt-1を非特異的に吸着するデキストラン硫酸カラムはsFlt-1の除去効率が低く,症状の改善効果は限定的であった.sFlt-1を特異的に吸着するカラムの開発が期待される.
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